第16回 OBたちの現在 ~オカファーエニス豪さん
OB達の現在を追うこの企画、第16回はオカファーエニス豪さんの登場です。
当時から大豆戸F Cは強い個性を持った子達が集まるチームでしたが、その中でも群を抜いていたのが、エニスです。
大豆戸の自由な空気の中で、伸び伸びとサッカーもサッカー以外の時間でも育っていった彼の卒業後を追います。
【末本】
まず、経歴を教えてください。
【エニス】
・横浜市立大豆戸小学校(大豆戸FC)
・横浜市立大綱中学校(野球部)
・神奈川県立川和高校(野球部)
・専修大学
・株式会社テレビ宮崎(2021年アナウンサーとして入社)です。
【末本】
では、大豆戸FCに入った理由を聞かせてください。
【エニス】
大豆戸FCに入ったのは、サッカーが好きだったからです。
ルーツがあるナイジェリアではサッカーがとても人気で国民的スポーツなので、幼いころから自然とテレビやスタジアムでサッカーを見る機会が多かったです。
また、小学校の友達がみんな楽しそうに活動していたので、「入ってみたいな」と思ったのがきっかけでした。
【末本】
「みんな楽しそうに活動していた」というのが大豆戸FCの特長だと思っていて、特にこの年代は個性のある子供が揃っていたな〜。
では、その大豆戸FCの思い出ベスト3をあげてください。
【エニス】
1位:市大会バディー戦
2位:湘南ベルマーレ前座試合
3位:スキー合宿。
第3位は、スキー合宿です。
スキー合宿では、自然のアクティビティの楽しさを実感しました。
【末本】
スキー合宿!卒業の際の思い出に必ず入ってくる大豆戸の名物イベント。
サッカーチームなのにスキーに行くのか!と思う人も多いかと思うけど実際今での参加者は満員状態なんだよ。ちなみにこれ以降、スキーに行ったりするようなことはあるのかな?
【エニス】
第2位は、湘南ベルマーレの前座試合です。
前座試合は、抽選で当たって出場できたのを覚えています。
平塚のたくさんの観客の前でプレーするサッカーは最高に楽しかったです!
試合終了後のインタビューでも少し調子に乗ったのを覚えています、、、(笑)
【末本】
当時着用していたブランドのイベント日で運よく当たって、確か七夕前後だったとは思うが、プロと同じピッチに立って、素晴らしい時間だったね!
試合後にM Cからインタビューがあって、エニスが恥ずかしがることなく、喋っていた記憶が鮮明に残っているよ。
当時から、今の職業につながる気質はあったよね。
【エニス】
第1位は、バディーSCとのGAMEです。
市大会では負けてしまいましたが、途中交代で出る際に、末本コーチからスピードや高さを生かすことなど、起用の意図を説明して頂き、とても奮起したのが印象に残っています。
【末本】
この代のバディーは全国優勝したんじゃなかったかな。
強かったね〜。エニスは当時、すでに身長も高く、足も速くなってきて一発やってくれるんじゃなかいか!という期待感がありました。
ちゃんと当時から説明していて安心したよ、笑
大豆戸の思い出を振り返ってくれたので、次はその後の人生を教えてもらっていいかな?
【エニス】
大豆戸FCでサッカーを思いきり楽しんだ後、中高では野球部に入りました。
高校は進学校で、みんな「良い大学」とその先の「良い会社」を目指す雰囲気だったので、なんとなく私もそれに乗っかっていました。
【末本】
コーチも同じような境遇だったけど、乗っかる、周りに影響を受けてみるというのも大切なことだよね。
【エニス】
また、母子家庭でしたがサッカーや野球をはじめ、やりたいと言った事には反対せずに応援してくれた親にも孝行したいなという思いもありました。
ところが、大学受験で失敗するんですよね、、、(笑)
【末本】
失敗というのは、第一希望ではなかった、ということだね。
【エニス】
だから進学した専修大学では必死に勉強しました。
就職は3年生の時に意識し始めました。
なりたい職業は決まっていなかったのですが、子供のころからニュースやスポーツが好きだったので「メディア系も面白そうだな」と漠然と思っていました。
そんな時に、「専修大学アナウンサー講座」があるのを偶然知り、門をたたきました。
元々人前で話すのは好きでしたが、滑舌や発声、ニュース読みや架空リポートなど基礎から勉強しましたね。
結果、一番初めに内定をもらったテレビ宮崎に就職することになりました。
今考えると第一志望ではない専修大学への進学も正解だったということになりました。
【末本】
人生は点と点が全部繋がっていて、起きたことに対してどう捉えて、歩んでいくかが大事なことだと思うのだけど、あの時点での「失敗」があって今がある。
意味があったし、それを意味があるものに変えたエニスの4年間は素晴らしい時間だったよね。
では、最後に今仕事をしていて大事に考えていることを、教えてもらっていいかな?
【エニス】
仕事で大切にしている事は、今はアナウンサーとして情報番組MCやスポーツ実況(サッカーJ3、バレー、陸上)、ニュースなどを担当しています。
また、事件・事故などがあれば警察から情報を聞いて現場に行き、取材して原稿を書いてテロップ作成、編集などのOAまでの一連を担当することもあります。
【末本】
アナウンサーの仕事の概念が変わるエピソード、そんなことまでやっているんだね!
【エニス】
大切にしていることは、「縁」ですね。
家族、仲間、サポートしてくれる方や地域、新しく出会った方などとの縁は本当に大事にしています。
前述の進学の話もそうですが、サッカーも勉強も仕事も全てが思い通りにいくわけではありません。
そんな時に助けてくれるのも「縁」だと思っています。
【末本】
「袖触り合うも他生の縁」どんな小さなことも偶然ではなく、全て深い縁によって起こるという意味だけれど、
それはきっとエニスがこれまで出会ってきた人たちと真摯に接してきたからではないかな。
これから先も意外なところで人が、縁が、自分を助けてくれる、そんな瞬間がこれからも必ずやってくるはずです。
サッカーをやっていて、何か今につながっている、得たものはあるかな?
【エニス】
サッカーを通して学んだのは、思いっきり喜んだり悲しんだりすることや「コミュニケーション力、忍耐力など数えきれないほどあります。
【末本】
なかなか日常生活で、喜怒哀楽を大きくできる機会がないのでそれはサッカーの魅力でもあるよね!忍耐力か、笑
当時からは想像はつかないけれど、笑
では、最後に大豆戸FCの選手たちにメッセージをください。
【エニス】
小学生の時に大豆戸FCでサッカーをやっていて、26歳になって宮崎に住む今でもコーチやチームメイトと交流がある!こんなに素敵なことはありません!!
それは、当時が必死だったからだと思います。
どうか、今しかないこの瞬間にサッカーを思いっきり楽しんでください!
〜取材後記〜
ある時、OBの保護者のSNSに上がっていた歌番組で、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」を熱唱するエニスを発見。
当時から、交流試合の最中に相手チームに得意のジョイマンのネタを披露し、全員を爆笑させる、記憶に残る男でした。
エニス、今回はありがとう!